家系図に興味をもった方で、一度は自分で家系図を作ってみようと調べたことはあるかと思います。
実際調べてみると専門性が高い、不慣れな内容、時間がかかるなど様々なハードルがございます。
もし戸籍調査はなんとかできたという方も次は家系図のデザインや、綺麗な表装への仕上げにおいて異なるスキルが必要となり最終的に断念してしまった方も多いのではないでしょうか。
家系図作成は趣味として過程を楽しめる方にはおすすめですが、知識だけでなく技術も必要になってくることが取りかかりにくい要因になっています。
次に作成を依頼するにも検索すると数多くのサービスがあって判断が難しいかという問題に直面します。
この記事ではどのような選択肢があって、あなたにぴったりなサービスの選び方をご紹介いたします。
業者のパターン
まず最初にですが大きく分けて2つのパターンに分類されます。
行政書士による兼業
家系図の専門業者
それぞれの特徴をご紹介させて頂きます。
行政書士
家系図作成行者のほとんどは行政書士の事務所が兼業として行なっているパターンです。
後ほど歴史について記述しますが、昔は行政書士の専売業務のように扱われておりその名残がございます。
また行政書士の本業でも戸籍調査は行われることから業務内容が共通であることも一因となります。
<良い点>
豊富な種類から選ぶことができる 全体のほとんどが行政書士によるサービス提供のため、値段、内容、行政書士個人の特徴など好みにあった選び方できます。 もし行政書士の方とお付き合いがあれば顔馴染みの方に依頼することでコミュニケーションが円滑に進む場合があります。
行政書士の本業業務と併せて依頼できる場合がある 相続の機会に家系図作成も行いたいと考えている方だと、両方の依頼を同時並行または少し割安に対応してもらえる場合があります。
値段の安い選択肢がある 戸籍調査のみなどシンプルな内容に特化して料金の安いプランを用意している場合があります。 目的が明確で付加価値を極力減らしても安く調査したい場合には有力な選択肢となります。
<注意点>
選択側の目利き 多くが個人事務所や小規模事業のため選ぶ側として目利きが必要になります。行政書士業務と兼務にて行うため、個人事務所の方だと多忙の中だと十分に連絡がとれない方や、進捗報告などが疎かになってしまう方もおります。また個人ゆえに相性も重要になってくるため、事前にメールやお電話での問い合わせで確かめることをおすすめします。
仕上げのこだわり 行政書士の方のため戸籍調査においてはプロのため信頼できますが、表装や仕上げにおいては専門でない場合があります。 先ほどあげた値段重視の事務所だと、一般用の複合機とオフィス用の用紙で印刷したものを提供する所もあり確認は重要です。 自前でない場合は業務委託や下請けに依頼して仕上げるため、そこの品質に大きく左右されます。
専門業者
専門業者が登場してからまだ歴史が浅いため全体としては少数にはなりますが専門業者があります。
当然ながら家系図作成のみに特化している点が特徴です。こちらも良い点と注意点を見ていきましょう。
<良い点>
専門故に一定の品質が保たれている 家系図作成を生業としているため調査から仕上げまでを委託なしに一社で行なっていることが多いです。そのため質問時や進捗確認などではクリアな回答が得られる傾向があり、安定性があります。 また仕上げにおいてもこだわりを持っている事が多いため納得のいく品質の物が手に入りやすいです。
購入先の選択肢がある サービスの販売先として大手ネット通販や冠婚葬祭の窓口を通じて依頼することが可能な場合があります。 窓口を通じての注文だと安心感があり、万が一の対応においても安心感があります。ネット通販の場合だとキャンペーンやポイント還元などでお得に依頼することが可能なときもあります。
安心して利用ができる 一概には言えませんが取引実績の多い業者であれば安心して利用ができるということが言えます。個人の事務所へ依頼した場合のトラブルとしては連絡が繋がりにくい、意思疎通が上手くいかないなどがございます。 法人の場合は個人事務所より信頼性が高いとされており高額な依頼だからこそ安心を優先したいという方にはメリットの一つかもしれません。
<注意点>
選択肢が限られる、比較が難しい 行政書士と逆になりますが、全体としては少数派になるため選択肢が限定されます。また値段や内容においても似通っていることが多く決め手が、表装の好みなどに左右される傾向にあります。
直接訪問して話ができない場合が多い 家系図制作業者については全体としては数が少ないため、お住まいの地域から立ち寄る範囲にない場合があります。一方で行政書士の場合は選択肢が多いため、地域から選べば事務所へ立ち寄る、話をして決めるなど顔を見て判断ができます。
行政書士と専門業者の共通点
一方で戸籍調査においては両社で共通するものもあり、そこは判断材料にはなってきません。ホームページや資料で強調されていたとしてもそこを決め手とせず冷静に判断することが大切です。
どの家系図作成サービスもまずは戸籍調査を行います。一部のサービスでは家系図調査後に現地調査や文献調査という付加価値やオプションを用意しておりますが、ベースの所までは同じプロセスを行います。その際に「行政書士による」「XX年の実績」などPRフレーズを見かけますが、調査方法やプロセスにおいては行政書士も専門業者も同じです。
家系図作成は行政書士の専門業務なの?
家系図作成サービスの多くは行政書士が提供していることをご紹介しました。その背景には最高裁の判決が出るまでは行政書士の独占業務と考えられていたことがあります。その一つには行政書士が持つ「職務上請求権」の存在があります。
本来は家系図作成に必要な戸籍の取得には依頼人の委任状が必ず必要となります。現在では全ての家系図作成に携わる方が、依頼者様にご用意を依頼しております。
それが職務上請求書というものを使えば行政から発行される証明書を職務上必要な範囲ですが委任状不要で請求できるというものです。 当時は家系図作成は行政書士による独占業務と考えられていたため、この職務上請求書を使って戸籍を請求し、家系図を作っていたという事がありました。
その中で非常に残念な事件が起こってしまったのです。それは行政書士の特権である職務上請求権を無資格の家系図作成業者へ流してしまったという事件が発生しました。 その過程で観賞用家系図の作成は行政書士職の独占業務か否かという問題にも派生し、最高裁判所の判決としては独占業務でないという判決に至りました。(第一小法廷判決・刑集第64巻8号) この判決は家系図作成サービスにおいての一つのターニングポイントとなりました。以降は家系図作成の場合に行政書士による職務上請求権が使えなくなったため、依頼者は委任状を用意する事になりました。 また専門業者の市場参入により独占市場が崩れ競争が生まれた事により、より低単価で高品質な物が流通するようになり今に至ります。
このように行政書士と専門業者それぞれで利点と注意点がございます。どちらが良いかはご依頼者の好みや重視する点が一致しているかによって変わってくるでしょう。 家系図の作成は生涯で何度も行う物ではなく、決して安い買い物ではないかと思います。
十分に比較し、不明点は問い合わせでクリアにしてから納得のいくサービスをお選びください。
記事:Kakeizu Plus(家系図作成サービス)
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