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名字っていつからできたの?名字と歴史上の人物との関係は?



私たちが自分の名前の由来は親から聞いて知っているかと思いますが、名字についての由来を知っている方は少ないと思います。名字が珍しい方は何か明確な由来があるのではと疑いますし、一般的な名字の方も歴史上人物や著名人と同じだと何らかの繋がりがあるのではと感じたことは一度か二度は皆さんあるのではないでしょうか。


この記事では名字の歴史について触れていきたいと思います。


 

名字 / 苗字 / 氏 / 姓 は何が違うの?


同じ意味合いで使われる上記の言葉は細かいですが由来が異なると言われております。諸説ありますが以下が一例です。

  1. 名字(みょうじ):由来は土地にあり、「同一の氏(うじ)から分かれ出て、その住む地名などにちなんで付けた名」のことです。

  2. 苗字(みょうじ)由来は血縁にあり、江戸時代には武士の特権として「苗字帯刀」がありました。庶民は上の名前を公称することが禁止されていました。

  3. 氏(うじ):「氏」は古代社会で使用されていた大きな家族の名前のようなものです。由来は職業名や居住地名から取られたものです。

  4. 姓(せい): 「姓」は古代の権力者たちが家柄や職業・政治的地位を表すために名乗っていたものです。由来は家柄や出自を表すための指標として使われています。

総括すると由来が異なるものの現代では同じ意味で使われております。この記事では名字を使って説明いたします。



 

名字のはじまりは?

名字の起源は、古代中国にまで遡ることができます。中国では、紀元前221年に秦が中国を統一した際、行政上の目的で人々に姓をつけることが定められました。これが、姓を持つ習慣が始まった原点とされています。

日本においても、奈良時代に入ると、貴族や官僚が自分の身分を示すために、「氏」と呼ばれる呼称を用いるようになりました。また、平安時代に入ると、氏をさらに細分化した「名字」という呼称が登場し、貴族階級を中心に名字の使用が一般化しました。

江戸時代には、庶民にも名字を付ける習慣が広まり、明治時代には名字の使用が法的に義務づけられ、現在の形態に定着しました。ただし、明治時代までに使用された多くの名字が、戸籍の整備や登録の際に廃止されたため、現在でも多くの地域で同姓同名の人が存在しないという特徴があります。

名字は誰でもつける事ができたの?

名字が最初に登場したのは、主に貴族階級や地方の有力者、そして官僚などの社会的地位が高い人々でした。彼らは、自分たちの身分や家柄を示すために、特定の姓を用いるようになりました。

江戸時代初期には、大名や旗本、寺社などの社会的地位の高い人々には、家名が与えられていましたが、一般庶民には名字が存在していませんでした。その後、庶民にも名字が普及し始め、名字の定着や取り扱いについて、各地で慣習的なルールが生まれました。

例えば、名字は宗家法と呼ばれる家族の中で最年長者が選ぶ方法や、地域の実力者や有力者から名前を与えられる方法、あるいは仕事や職業から名前を選ぶ方法などがありました。また、地域によっては名字が重複することを避けるため、一定のルールが設けられていたり、独自の名字が生まれたりすることもありました。

明治維新後の苗字

明治時代には、多くの人々が新しい名字を名乗るようになりました。これは、新しい名字が必要になったためであり、例えば同じ名字を持つ人が多い地域では名字の重複を避けるために新しく作られたり、また職業に由来する名字や、地名に由来する名字が考案されたりしました。

明治時代初期には、国家主義的な理由から、名字には漢字を使用することが求められ、外国語に由来する名字は禁止されました。また、身分制度が廃止されたため、貴族や士族が持っていた名字も庶民にも使用可能になりました。

その後、昭和時代以降には、名字が現代的なルールに統一されるようになり、苗字が与えられる際のルールや名字の使い方についての指導も整備されました。


 


同じ名字がたくさんあるのはなぜ?

自由に名字をつけられるようになったにも関わらず日本ではいくつかの名字は多くの方が使っています。同じ名字がたくさんいる理由はなぜでしょうか。様々な可能性がありますが大きく分けて以下のようなものが挙げられます。

  1. 人口の増加による影響人口が大幅に増えている時代には、当然ながら1家族あたり多くの子供がいるため同じ名字を持つ人々の数も増え、結果的に同じ名字を持つ人が多くなることがあります。

  2. 同じ出身地や同じ職業を持つ人々が名字を共有する場合昔は、同じ出身地や同じ職業を持つ人々が名字を共有することがありました。たとえば、「山田」という名字は、多くの人が山田という地域出身であったり、山田という地名がある場所に住んでいたりすることが関係している可能性があります。

  3. 戦国時代や江戸時代の戸籍制度による影響戦国時代や江戸時代には、戸籍制度があり、同じ地域に住む人々が同じ名字を持つことがありました。また、ある地域において一族が多数存在する場合もあります。

  4. 過去の歴史的事件による影響歴史的な事件によって、同じ名字を持つ人が増えることがあります。たとえば、第二次世界大戦中には、戦死者や疎開者の中で、同じ名字を持つ人が多くなった場合があります。

以上のような理由から、同じ名字を持つ人が多数存在することがあります。

珍しい苗字の由来は?

一方で珍しい苗字を持っている方もいます。珍しい苗字は、さまざまな理由から生まれることがあります。

苗字が、ある特定の職業や地位に関連している場合もあります。たとえば、「椿」という苗字は、古くは椿の花をつける庭師や園芸家の家系に多く見られました。また、「関」という苗字は、古代中国の有名な武将である関羽から名前を取ったものもあると言われております。


 


自分の名字の由来を知る方法は?

ここまで読んでくださった方の中には自分の名字の由来が気になった方もいるかと思います。明確な由来を知ることは難しいですが、ヒントを見つけることはできるかも知れません。家系図制作会社の視点でご紹介いたします。

  1. 一族の伝承や家系図がないか確認する名字の由来には、その一族の歴史や家系に関わるエピソードや伝承が反映されることがあります。そのため、家族や親戚に家系図がないか確認してみましょう。

  2. 戸籍謄本を集める家系図がない場合は制作できることがベストではありますが時間と労力が発生いたします。戸籍謄本だけであれば工数は比較的少なく済みます。古い戸籍まで辿り着くとご先祖の本籍地がわかります。この土地の情報を使って調べます。戸籍謄本の集め方はこちらの記事でまとめております。

  3. 先祖の本籍地を調べる 1.または2.の過程で本籍地がわかればまずはその土地の情報をインターネットで調べてみてください。地域名、大名など何らかの由来があれば関連性を疑えます。いずれも該当しない場合は少し専門性はあがりますがその地域の記録がまとまった郷土史を確認してみましょう。国立国会図書館 デジタルコレクションで確認できる場合があります。そこの登場人物名、職業、文化など何か関係する記述がないか確認します。

以上のように、家系図や戸籍の情報から、ヒントが見つかる場合があります。より簡単に試したい方はインターネットで"自分の苗字" "由来"や"自分の苗字"氏などのキーワードで調べて目星をつけてみましょう。その後祖父母の育った地域などを調べてみるだけでもたどり着ける方もいらっしゃいます。

名字の理解を深めるとより一層と愛着が増しますので一度試してみてください。

記事:Kakeizu Plus(家系図作成サービス)


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